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畳のお手入れとまめ知識

2007年2月

畳に使うい草にはどんな種類があるの?

 凛と透き通った空の下、い草の田んぼもまだまだ閑散としています。
 い草がおとなしい間に、農薬のお話に引き続き、い草の品種についてお伺いしました。

お米には「こしひかり」とかありますけど、やっぱりい草にもいろいろ品種があるんですよね?

「大きく分けると、「まるい」と「三角い」に分けられます。「まるい」は一般的な畳表の原料になります。「三角い」は「七島い」ともよばれ大分県の国東半島で栽培されていましたが、現在ではほとんど目にすることがありません。三角の茎を裂き手織りで畳表に加工します。」(酒井さん)

まるい

 「三角い」は琉球畳の表に使われるものですね。
「まるい」のなかにも、「きよなみ」や「岡山3号」といった従来から栽培されているものや、「ひのみどり」といって品種改良されて栽培されるようになったい草があるそうです。この「ひのみどり」とはどのようない草なのでしょうか。

「熊本県が10年にわたり研究し開発した高品質な品種です。現在は栽培されているい草の5割を占めます。他の品種と比べて茎が細い、粒茎がそろっている、変色茎が少ないといった特徴があります。 ひのみどりは栽培が難しく、土つくりや、的確な肥培管理と水管理が必要です。」(酒井さん)

 つまり、良い畳表を織り上げるのに必要な条件が揃っている訳ですね。そのかわり育てるのが難しいのですね。
来年からは「夕凪」と呼ばれる、やはり上等な畳表に適した品種も作付けされるそうです。その他、福岡県では「筑後みどり」といった地域特有の品種を栽培したりしているそうです。

い草の種類
左が「岡山3号」、右が「ひのみどり」
「ひのみどり」のほうが色むらが少なく、茎姿がきれいですね

こだわり国産畳表の生産者

い草農家 上永さん熊本県八代市千丁町

い草農家 上永さん

生産歴40年、120アールの畑でい草を栽培します。「愛情を込めた製品づくり」がモットーです。

い草農家酒井さん熊本県 い草農家

い草農家 酒井さん

生産歴23年、ひのみどり育成のための勉強会を開くなど、勤勉家の酒井さん。「喜ばれる製品づくり」をめざしてい草の育成に励んでいます。